2023/9/28に名古屋大学から、SDF-4というたんぱく質が腫瘍マーカーとして非常に優秀である、という内容の報告が出ています。(→こちら)。
元の論文は(→こちら) です。
11月になってネットニュースにも乗るようになりました。
論文のグラフを見てみると、
健常の人でSDF-4濃度が上がっていることが全くなく、これが上がっていれば何かのがんが隠れている可能性が相当高い、ことになります。
胃がんはステージ1という、まだ小さくて確実に治療可能なレベルものでもSDF-4が上がっていることがわかります。
この結果はいままでの腫瘍マーカーとはまったく別物と言っていいです。
これは血清中のたんぱく質なので、血液検査で比較的容易に測定できます。いまのところは実験室で、ELISAというキットを使って測定しているものと思われます。
現在のところ、医療として使えるようにはなっていませんが、おそらくすぐに、人間ドックや検診に応用されるのではないでしょうか。
しかし、グラフを見ると、進行胃がんであってもSDF-4が上昇しないケースもあるようです。胃カメラ、大腸カメラはより確実な検査として重要性にかわりはない、と思います。
ここまで読むと、
今までの胃がん検診での胃カメラはいらないのか?
大腸がん検診の便潜血の検査がなくなるのか?
と思われるかもしれません。それに関しては
それはまだ「よくわからない」
というのが現状での正しい答えになります。
今回の報告での人数が多くはない、という制限があったり、進行胃がんでのSDF-4が上昇しない、という人もいるからです。
よって従来通り、いままで何百万人の人が受けている検診を受けておくのが確実だと考えます。
この記事を読んで
「採血だけだったらとりあえず「がん」がありそうか、調べてみたい」
「がんがあるかどうか、別の見方でも確認してみたい」
と感じた方もいらっしゃると思います。
実験室でのELISA法での測定ですので、まだまだ当院で測れるのは先と思います、
測定できるようになれば、ブログでまたご案内いたします。
(多分自費ですが。。。)